ベストセレクション2014 その3

525

営業コンサルタントの庄司です

今月は今年1年間の記事のなかから、わたしが特にお伝えしたい内容のものをピックアップしてお届けします。(記事は若干の修正を加えています)

では、ベストセレクション2014 その3 を どうぞ!
●お金よりもうれしいもの

「リクルートのように、営業マンのモチベーションを上げるにはどうしたらいいでしょうか?」

よく聞かれる質問です。

「やっぱりインセンティブをたくさん出すことでしょうか?」

そう聞く人も少なくありません。

そんなときわたしは

「はっきり言ってお金だけでやる気は出ません。出たとしても一時的なものにすぎません。」

と答えます。

実際、リクルートの営業マンはびっくりするぐらいよく働きます。

自他ともに認める「なまけもの」のわたしですら、リクルートにいるときはものすごく働きました。

けっして、鬼のような上司に脅されて働いていたわけではありません。

「なんだかわかんないけど、気がついたらめちゃくちゃ動いていた」 というのが一番しっくりくる表現かもしれません。

仕事を楽しんでいたというのともちょっとちがう気がします。

そんな余裕はありません。

渦中にいるときは、もうしんどくて一刻も早く逃げ出したいくらいでした。

では、いったいなぜそんな思いまでしてリクルートの社員はよく働くのか?

複合的な要素があるので一概に「これ」というのはむずかしいと思いますが、ヒントのひとつになりそうなものに「表彰状」があります。

わたしがいた部署では、期が終わると目標達成会という打ち上げパーティーが行われ、そこでリーダーからがんばった人に表彰状が贈られるのが習慣でした。

この表彰状がただものではないのです。

文章はすべてリーダーが自分で考えます。

内容は、表彰される人がいかに目標を達成するためにがんばったか、どうやってピンチを乗り越えたかといったエピソードはもちろん、この期間にどれだけ成長したかといった話や、あえて成長する前がいかにひどかったかなど、その人のキャラクターをふまえた話を笑いの要素も加えながら作っていきます。

ひとりひとりていねいに書いていくので、かなりの手間と時間がかかります。

それも通常業務が終わってからつくるので、作業が深夜におよぶこともあります。

メンバーに対する「思い」がなければできる作業ではありません。

ちなみに先日、わたしのクライアントさんにも目標達成会で表彰状をつくって渡すことを勧めてみました。

このクライアントは日本でも有数の大手企業で、もともとまじめで固い社風です。

とくに、わたしが担当したプロジェクトチームは、経験の浅い人と伸び悩んでいる人を中心に集められたチームで、スタート当初は営業会議で発言を求めても、ほぼ全員がうつむいて小さな声でボソボソしゃべるような状態でした。

しかし、半年かけてチームで力を合わせるマネジメント手法を身につけたことによって、リーダーとメンバーの関係がどんどんよくなっていき、じょじょに笑いも出るようになり、3ヶ月もすると見ちがえるように積極的な発言が飛び交うようになり、半年後の売り上げは目標の4倍を達成するまでに成長したのです。

これだけ劇的に変化したプロジェクトチームの目標達成会であれば表彰状もいけるのではと考えての提案でした。

その結果は?

わたしの想像をはるかに上回るものでした。

表彰状の内容については、あえて細かい指示を出さずにリーダーたちにおまかせしたのですがこれが素晴らしかった!

おそらくこんな表彰状は書いたことがないのはもちろん、自分がもらったこともないはずなのに、リーダーが感じた営業マンそれぞれの半年間の成長が、象徴的なエピソードとともに語られていて、しかもしっかり笑いもとれる内容になっていたのです。

そうとう時間がかかったことは容易に想像ができました。

わたしが代読して営業マンに表彰状を渡す役目だったのですが、はじめて表彰状をもらった営業マンが思わず口にした言葉がとても印象的でした。

「こんなにたくさん書いてくれたんですか・・・」

リーダーはわたしに言いました

「はじめて、営業マンの成長を自分のことのように感じました。」

ここに答えがあります。

多くの人は、お金をもらうことよりも「達成感」を感じたいのです。

達成感を感じられる環境のなかで仕事をしたいのです。

達成感を感じられる環境というのは

・ひとつの目標を仲間と力を合わせて追いかけている

・自分のがんばりを見ていてくれる人たちがいる

・自分の成長をいっしょに喜んでくれる人たちがいる

という環境のことです。

もし、あなたがリーダーの立場にいるのなら、どうすればメンバーのモチベーションを上げられるかではなく、メンバーが達成感を感じられる環境をつくるために何ができるかを考えてみてください。

ベストセレクション2014 その2

syoji2

営業チーム強化コンサルタントの庄司充です
今月は今年1年間の記事のなかから、わたしが特にお伝えしたい内容のものをピックアップしてお届けします。(記事は若干の修正を加えています)

では、ベストセレクション2014 その2 を どうぞ!

●営業は結果がすべて・・・か?
「営業は結果がすべてだ!」と、したり顔で言っている営業責任者の人をよく見かけますが、ほんとうにそうでしょうか?

なんだかかっこよく聞こえるセリフではありますが、わたしには「結果を見ることしかできないダメな上司です。」と自ら宣言しているように聞こえてしまいます。

結果がすべてというのと「結果しか見ていない」のは、まったく意味がちがうのです。

たとえばマラソンのコーチが、「2時間30分で走ってこい!」という指示だけ出して、トレーニング中に伴走もせずにゴール付近で待っていて、ランナーが目標を10分オーバーしたら「気合が足りない!結果がすべてだ!もっと死ぬ気で走れ!」と言っていたらどうでしょう?

そんなコーチ、一発でクビですよね。

これと同じことをやってしまっている人がいっぱいいるんですよ、営業の世界では。

結果を出したければ、必要なのは気合ではなく「プロセスをしっかり見る」ことです。

マラソンでいえば、スタートから10キロ地点までは1キロ○分○秒のラップをキープしてリズムをつかみ、10キロから20キロの地点までは○分○秒までペースアップする。25キロ地点の上り坂では○分のペースに抑えて体力を消耗しないようにする。等々

というように、プロセスごとに細かく計画を立てて、トレーニングで実際にやってみて、ほんとうに計画通りに実行できるかを検証する。

そうしたことをくり返すことで、20キロ地点までは計画通りに走れるが上り坂でペースが予定以上に落ちてしまうというようなことがわかり、上り坂でもペースを維持できる筋力をつける必要がある、というように課題を明確にした指導が可能になるわけです。

「結果を出せ」というだけだったら、誰でもできますよね。

「結果を出せ」と言われて結果が出るんだったら、そもそも上司なんかいりません。

多くの売れていない営業マンにとって必要なのは、

「どこでつまずいているのか?」を把握してくれて

「どうすれば結果が出せるのか?」をいっしょに考えてくれる人です。

結果が出ていない人は、気合が足りないんじゃなくて「途中の行動」がまちがっているのです。

今の市場は「行けば売れる」市場ではありません。

まちがった行動をしていると、いくらがんばっても売れません。

ひと昔前とはちがうのです。

わたしのクライアントの社長さんは、新規開拓がなかなかできなくて、せっかく採用した営業マンがすぐにやめてしまうといって嘆いていました。

さっそくコンサルティングを開始したところ、この会社は典型的な「売れ売れミーティング」をやっていましたので、即座に上記のマラソンの例のようにプロセスごとに計画を立てて、途中経過を把握して検証する手法を導入してミーティングのやり方を変えました。

このような方法を「プロセス・マネジメント」といいます。

結果よりも「途中の行動」に注目する方法です。

プロセスマネジメントでは、営業マンに対して「売ってこい!」ではなく「この通りの行動をしてきて、お客さんの反応をくわしく報告して」という指示になります。

むしろ、強引な売り込みはしないように指導をします。

こうして、「途中でどんな行動をすると どんな結果が出るのか?」という因果関係を調べながら、全員で売れるプロセスを見つけ出していきます。

結果は、ひと月も経たないうちに見ちがえるように新規の契約が取れるようになりました。

個人の力量にもほとんど左右されません。

そこの社長さんは「売れ売れ言ってるときはぜんぜん売れないのに、売りこむなと言うと売ってくるんですねえ。」と、自嘲気味に笑っていました。

そんなんです、営業は結果がすべてでなはく「プロセスがすべて」です。

あなたが営業の責任者なら
“途中の行動を把握して、売れるプロセスをつくって、結果を変えられる”

リーダーになってくださいね。

ベストセレクション2014 その1

525

営業コンサルタントの庄司です
早いもので、2014年も残すところあと3週間とちょっととなりました。

と、いうことで、今月は今年1年間の記事のなかから、わたしが特にお伝えしたい内容のものをピックアップしてお届けします。(記事は若干の修正を加えています)

題して「庄司メルマガ・ベストセレクション2014ちょこっと修正編」です。

では、どうぞ!

●こんなミーティングって・・・

わたしはクライアント企業のコンサルティングがスタートすると、まず営業ミーティングを見せてもらいます。

ミーティングのやり方を見れば、マネジメントのレベルがわかるからです。

これまでの経験からいうと、残念ながらほとんどの会社がまったく意味のないミーティングをやっています。

たとえばこんな感じです。

上司「はい、じゃあそれぞれ先月の結果を報告してください。まずAから」

営業マンA「はい、残念ながら先月も目標達成することはできませんでした。」

上司「う~ん、まただめかあ。なんでいかないんだ?」

営業マンA「はい、先月は現状を打破するために、あらたに○○業界へのアプローチを強化したのですが、残念ながら思ったほどの反応がありませんでした。」

上司「それで、今月はどうなんだ?」

営業マン「正直言って、今月も引き続ききびしい状況です。」

上司「それで、どうするつもり?」

営業マン「はい、ただそうは言ってもやるしかないので、気合を入れなおしてさらに行動量を増やして目標必達でいきたいと思います。」

といったやりとりが数人の営業マンと行われ、言いわけのヘタな営業マンは餌食として怒鳴られたりします。

そして、最後に上司から

「とにかく、みんな気合を入れなおしてくれ。このままじゃほんとうに会社はきびしいんだからな!」

などと激がとばされ、みんなが深刻な顔で席を立つ。

こんなミーティングを毎月毎月くり返しています。

これ、どう思いますか?

こうやって文字に起こしてみるとよくわかりますよね。

いかりや長介じゃあないけど「だめだ、こりゃあ」ですよねえ。

では、このミーティングのどこがダメなのかわかりますか?

はい、そうですね

なにひとつ具体的な策について話されていないんです。

すべて抽象論、精神論で終わっているのです。

ちょっと見ていきましょう。

「アプローチを強化した」ってなんですか?

強化したっていうのは、トークやツールを変えたり新しく作ったりしたのか、それとも行動量を増やしたということなのか、もし行動量を増やしたという意味なら、今まで何件だったのを何件に増やしたのか?

「思ったほどの反応がなかった」と、言ってますが、思ったほどの反応ってどのくらいの数値を期待していたのでしょう?

それに対して実際はどのくらいで終わったのか?

「さらに行動量を増やす」って、どのくらいからどのくらいに増やすのか?増やすことでどんな結果を想定しているのか?

たったこれだけの会話の中ですら???がいっぱいなのです。

この上司と営業マンのやりとりに隠された本音は

営業マン「がんばってるんですけど、売れないんですよ。どうすれば売れるのか教えてくださいよ!」

上司「おれだってわかんないよ。だけどおまえらがやるしかないだろ、なんとかがんばれよ!」

と、言ってるわけです。

びっくりするほど多くの会社がこんなミーティングをやっています。

じつは、こうしたうわべだけのミーティングは、意味がないだけでなく参加者全員に無力感を感じさせてしまいます。

いっそのことみんなで飲みにでも行ったほうがよっぽどましです。

なぜ、こんなことになってしまうのか?

これは、すべて途中のプロセスを把握する仕組みがないために起こる現象なのです。

わたしはこのようなミーティングを「責任追及型」と呼んでいます。

前回お話ししたように「成長市場」の時代には、責任追及型のミーティングでもなんとかなりました。

行けば売れたからです。

しかし、複雑化した成熟市場では、もはや通用しないのです。

では、成熟市場ではどんなミーティングをすればいいのか?

成熟市場で必要なのは「問題解決型」のミーティングです。

プロセスを把握する仕組みをつくって、全員で検証しながらつねに改善策を立てて実行していく。

そういうミーティングをするために必要なのが、リーダーのマネジメントスキルなのです。

営業マンに激をとばすよりも、リーダーであるあなた自身のマネジメントスキルを身につけることが、ほんとうの問題解決につながるのです。

リーダーのあなたしだいで、チームは変えられるのです。